二輪教習奮闘記 〜42歳の挑戦〜  by.とーこ

 

 

卒業検定

 

2011年12月18日(日) = 卒業検定 =

 

先週の月曜日、みきわめを合格したあとすぐ検定の予約をしに行くと、
受付のお姉さんも「いよいよですねぇ〜良かったですね〜」と笑顔で喜んでくれていた。

検定は毎日行われているようだけど、日曜日に決めた。さぁ、決戦は日曜日。


今日がいよいよその検定当日。

教習所に通うことになって以来、ずっと心配してくれて、何かと支えてくれた仁と一緒にいざ出陣!

「まぁ、今日は予行演習だと思っていけばいいや。」と気楽に挑む今日の検定。
一発で合格するなんて、はなから思ってないところもある。

そのせいか緊張感もあまり無く、いい感じのコンディション。 いいぞーがんばれー。



朝9時30分から説明会があって、今日のスケジュールや検定のルール等の確認をする。

広い教室にはたくさん人が集まっていたけど、ほとんどが四輪車の検定で、
二輪車の検定は、わたしと若い男の子一人のみ。その子は大型二輪のようだ。

人数が少なければ、早く終わるって言ってたことを思い出し、
うまく行けば午前中で結果が出るんだなぁ。。。すごいなぁ〜と改めてココまできたことに感動する。



で、気になる検定コースは。。。?



「今日の検定コースは【Aコース】です。」と発表があり、少しホッとした。

AとBのコース表をもらっていたけど、正直、Aコースを覚えるのに必死で、Bコースはあまり見てなかった。
Bコースと言われていたら、かなり焦ってたかもしれない。なんちゅう確率。。

身支度のための休憩時間を挟んで、いつものバイク小屋で待つこと約10分。



キターーー!



検定員らしき教官のお姿。

直接教えてもらったことはないけど、以前、他の生徒さんと重なって”一本橋”を通るときに
なかなか橋に乗り上げることが出来ないわたしの後ろで、こっそりバイクを押してくれた先生だ。

「それ、ふんばって!ブーンとアクセル。」と言ってくれたことを思い出す。

 

「今日はよろしくお願いします。えー只今より卒業検定を行います。

検定中は、いつものように教官から助言したり、話しかけたりは一切いたしません。

すべてご自身の判断で 、前に進んで下さい。

コースの順番を忘れたり、間違えた場合は速やかに停止して、手を挙げて指示を待って下さい。

コースの間違いは減点にはなりません。落ち着いて走行して下さい。 」


うわぁ。。。なんか検定っぽくなってきた。

 

さきに大型二輪に挑戦する男の子から始まった。

静かにスタート。あとに続く検定員と、どうやらもう一人の検定員らしい教官が交差点の角に立っている。

さすがに若い男の子。ひとつひとつ丁寧に課題をこなしていく。見ている感じでは落ちついている様子。

「あぁ、この子は余裕だねぇ〜。失敗するとこないね。」と仁と見学しながら話す。
まぁ、目の前で転倒されたりするよりか、安定感のある走りを見せてくれる方が安心する。

そして、滞りなく男の子の検定は終わった。


次。

さぁ、わたしの番だーーーー!

「よし!落ち着いて、いってこい!」と仁に気合いを入れてもらって、スタート地点へと向かう。

 


「よろしくお願いします。」

バイクの前に立ち、乗る前に前後の障害物がないことを確かめる。

下手な運転以外にわたしに出来ることと言ったら、しつこい安全確認くらいなもんだ。

周囲の安全を確認出来たら、バイクに跨ってミラーを合わせて、

スイッチON→ニュートラル確認→セルON!

 

「・・・・・。」

 

あれ?気を取り直して、セルON!

 

「・・・・・・・・。」

 

え?

え?あれ?

エンジンがかからない?

今日は先生は声をかけてくれないって言ってたよね。どうしよう。。
でもこれ、エンジンかからないですよ。。。どうして?今日に限って。。どういうこと?

うしろでスタンバッていた検定員の先生が、こっそり横に来て「サイドスタンド。。」と囁いた。

 

え?

わ、わ、あぁぁ

サイドスタンドをはらわずに、バイクに乗ってしまったんだぁ。。。なんちゅう失態。

そう、教習所では先にサイドスタンドをはらってからバイクを跨いで乗るのが基本。
スタンドが出たままいきなりエンジンがかかると危険なので、バイクによっては規制されている場合がある。

いつもちゃんと乗ってきたじゃないか!こんなこと今までしたことなかったのに。

初っ端から何やってんのよ。。。緊張してなかったんじゃないの?>わたし


慣らし運転で一周出来るらしいので、とりあえず内心テンパりながらもスタート。

一周してる間に気を取り直さなければ。。。

 

スタート地点付近に戻ってきたら採点が始まる。

よし!さっきの失敗で何点マイナスされたかはわからないけど、後は進むだけ。

行っくぞーーーー!進めーーーっ!

 

さて、検定Aコース。

外周を右回りで、いきなり本日最大の難関”クランク”から始まる。

内側に並べられたパイロンに接触すると減点、倒すとその場で検定中止、転倒も然り。


先週、最後の最後にようやく見つけたわたしなりのクランク攻略法。

ギアはセカンド。思いきってクランク入り口へ勢い良く入ってアクセルを軽く戻す。リアブレーキで調整。

クラッチは握らず、早めに目線で角度をつけて、ふらついたらサッサと出口まで逃げるように抜ける。

なに、ほんの数秒耐えればいいのだ。考えるな!突っ走れ。


お。

行けるぞ。パイロン接触疑惑?いや大丈夫。当たってない。

抜けたぁー!いつもよりスムーズに抜けることが出来たー。

 

続いてすぐに左折”S字カーブ”。ここはまぁとくに心配はしてないので、
出口では右見て左見て、顔を大きめに振って目視確認をしっかりアピールするところ。

内周左周りから中央の信号で停止。 「ふー。」 一息つく。


そのあと右折して大きく外周走った先に、もう一つの難関 ”一本橋”

一本橋をまっすぐ見つめ、手前のラインで停止。深呼吸。

一本橋は前輪を乗り上げるときにバランスを崩さなければ、後は遠く前を見て進むだけ。

7秒かけてゆっくり渡るのが課題。それより早いと減点。落ちたら即中止。

ここは慎重に。

♪ポッポッポー はとポッポー 豆が欲しいか そらやるぞー 

歌う余裕なんてあるもんか。。。随分早く渡りきったけど、まぁ落ちなければセーフ。


そして”スラローム” リズム良くメリハリつけてバランス走行の醍醐味。

実際、ココを上手に抜けれたら気持ちいいんだろうなー。

並べられたパイロンは2本先に目線を定めて、まぁ、ぎこちないながらもなんとか走行。

 

小さく左折して障害物発見、後方目視確認とウィンカー忘れずに避けて進む。

中央交差点を抜けて一旦停止。右見て左見て安全確認。

 

さぁ、来たよ。

二段階みきわめにして、ド派手に転倒した恐怖の”坂道”

あぁ。。ここもまたトラウマが。。

 

慎重に停止。しっかりフロントブレーキで支えて、リアブレーキもしっかり踏み込む。

ゆっくりアクセル開けて、音だよ。エンジン音をしっかり聞くんだよ。

まだクラッチ離しちゃダメよ。ゆっくりゆっくり。。。そうそう。。。ソローっと。

後方確認すると、先生がジーッとわたしの発進を待っている。

いいの。いいの。遅くても転倒するよりかはるかにマシ。

 

よし、坂道発進も成功!

 

ここまで課題は大きなミスなく進んでいる。いいんじゃない?いけるんじゃない?

踏切を一旦停止。確認作業は猛アピール。

さぁ、ちょっと気持ちが落ち着いてきたところで、行ってみましょうクライマックス!!

 

行くぞ!”急制動”

アクセルは思っている以上に開けて、いざストップラインへ〜

 

ブォーーーン!

ゴゴゴゴ

キキー!!

 

成功?かな?

やり直しは、一回まで出来るって聞いたけど、今のでよかったのかな?

まぁ、なにも言われないからいいか。

成功か、もしくはすでに点数が足りなくてやり直しすら出来なかったってことかも。

 

とりあえず停止ラインに戻ろう。終わったんだ。

いやぁ

長い長い旅路のように疲れた。

 

あ、でもバイクから降りるときも気を抜いちゃいけない。。。ここで転倒したら元も子もない。

と思うとなかなか降りれず。。ここも慎重に。。

 

「ありがとうございました。」

と、仁の元にかけ寄ると「ウィンカーずっと付けっぱなしやったよー。」と言われ、

「えー、うっそー。気づかなかったぁ。」

減点だぁ。

あぁ、いくつ減点だろう。。。細々と稼いでるよなぁマイナス点。。

 

合格発表は午後からだと思ってたのに、すぐに教えてくれた。

「結論から言うと、点数は。。。。。。えーと、足りてます!合格です。おめでとうございます。」

 

え?ほんと?

うわ

やったー!!!やったー!!

合格だぁぁぁ

 

 

こうして、入学してから151日目にようやく教習所を卒業することが出来た。

本当ならたった17時間で卒業出来たはずの教習生活。まさかこんなに長く居座るなんて。

幾度も諦めかけて、自分の情けなさと向き合って、悔しくて泣いた夜もあったけど、

 

やっぱりバイクに乗るのは楽しい。

 

もうすぐ43歳。こんな女ライダー誕生も人生あり?かな。

 


 




 
 

 

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